【F1 2019】MGTCup Season10 Rd.17 日本GP


【F1 2019】MGTCup Season10 第17戦鈴鹿GP

F1 2019 長距離部MGTCup Season10 Rd.17が5/17(日)日本・鈴鹿サーキットで行われ、トロ・ロッソのサジョウ・クジョアトが今期6勝目、去年から続いて2年連続優勝を果たした。

2位はレモンスカッペン(レッドブル)。1回目のSCが不利に働き優勝を逃した。

3位にはロビン・ミヤッセン(ハース)。7番手スタートだったが前の車が次々に失速。最後は追いかけてくるメガボンレッドブル)の圧を退け、4回目の表彰台を獲得した。

鈴鹿を振り返っていこう。

今回からCLRが6年ぶりに電撃カムバックをしたことを発表!名前の通り鈴鹿メルセデスから出走することを発表した。
ルノーも日本GPでスーが欠場することを発表。完全アウェイの中、ワイボウの1台体制で臨むこととなった。

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1台体制で臨むワン・イボウ(ルノー) Twitterより


現地鈴鹿は曇り。
ほとんどのドライバーが母国GPということで集中力を最大限に高めていく中、アクシデントが起こった。
ホラーデス・ザコスの乗る予定だったマクラーレンが消えてしまったのだ。

最近はドライバーが居ないのにマシンが居るというホラー現象が巷で報告されているが
ドライバーが居るのにマシンが居ないという非常事態にレースがやり直されるという事態となった。

2回目。
仕切り直しとなるスタートは集中力が切れがちだが、全18台とも仕切り直しにも動じず綺麗にスタートを切った。

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スタート

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スタート 1コーナー

序盤はフェラーリの2台がけん制しあういつもの展開。
チーム代表のチョット・マッテヤ・ビノットは7戦連続(第11戦から続く)チームバトルに「ちょっと待ってや...」と諦めの表情。ベッテルとは来季の契約を結ばないことを発表した。

レースが動いたのは7周目。Sタイヤを履くレモンスカッペンが1コーナーで、Mタイヤを履くクジョアトをパス。
タイヤが違うのでレモンスカッペンとしては早めに攻略したかったはずだが、クジョアトは6周粘ることに成功した。と見るべきだろう。

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7周目1コーナー クジョアトを抜いたレモンスカッペン


9周目のダンロップコーナーで8番手を走っていたナノンツ(マクラーレン)がスピン。ウイングにダメージを負ってしまう。
また15周目の最終コーナーでもウイングを破損してしまい失意のレースとなってしまった。

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9周目ダンロップコーナー ナノンツのクラッシュ


先陣を切ってピットに飛び込んできたのは4番手を走っていたフェラーリのワンコッテル(フェラーリ)。18周終わりにピットインしワイボウ(ルノー)のアンダーカットを狙った。ところがコース復帰の場所が悪くアンダーカットは失敗。ピットストップで順位が入れ替わることはなかった。

またソフトスタート勢が全車ミディアムタイヤに変える中、ウィリアムズのピケージはソフトタイヤに変えてしまう痛恨のミスをおかしてしまう。

レースは22周目。ここでノーピットのプニトール(レーシングポイント)にンクレール(フェラーリ)がヘアピン入り口で追突。

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22周目、シケイン。 ンクレールがプニトールに追突

このアクシデントでプニトールは大きく後退。ンクレールもウイングを破損し、ピットインを余儀なくされる。

レースが大きく動いたのが26周目。
フェラーリのンクレールがスプーンでスピーン。ウイングを損傷してしまう。
この時スプーンの神が怪我を負ってしまったのか、まさかのタイミングでセーフティーカーが宣言された。

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26周目スプーンでスピーンするンクレール

このセーフティーカーはクジョアト(トロロッソ)にプラスに働いた。
ピットイン後、本来ならレモンスカッペンの後ろになるはずだったが、これでレモンスカッペンの前で合流することに成功。この段階で大方の雌雄が決した。

レースは30周目に再スタート。
ここで4番手のワンコッテルが3番手のワイボウを1コーナーでオーバーテイク! 3番手に浮上。
前戦ロシアから数えて80周ぶりに見る単独走行の景色。

しかし続く33周目のデグナー。3番手に浮上したばかりのワンコッテルがデグナーで飛び出しスピン!14番手まで後退。後に判明したが100m看板が破壊されていた模様であった。
これで単独走行の景色はわずか3周で終了した。

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33周目、ワンコッテルがデグナーでオーバーラン・1
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33周目、ワンコッテルがデグナーでオーバーラン・2

このアクシデントでワンコッテルの後ろを走っていたワン・イボウも影響を受けてしまい、ミヤッセンが3位に浮上する。


35周目、アルファロメオのヒロッツィがヘアピンの立ち上がりでクラッシュ!ウイングにダメージを負ってしまう。

36周目の1コーナーではソフトタイヤを履くメガボンがミディアムタイヤのペギーをオーバーテイク。5番手に浮上する。

続く40周目。4位ネオス(レーシングポイント)を200Rで意表を突く形でオーバーテイク!4番手に浮上する。
ここで抜くと1コーナーまでに抜き返されてしまう恐れがあったが、ERSを60%近くまで貯めることに成功し、1コーナーまでに仕返しをされない走りをした。
オーバーテイクだけではなく、その先の防御まで考えてのERSの使い方、かつそれを実行できる速さを披露した。

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40周目、200Rでオーバーテイク


45周目。ここで12番手を走っていたワンコッテルが最終コーナーで姿勢を乱しクラッシュ! のこり7周で2回目のセーフティーカーとなってしまう。

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45周目、最終コーナー立ち上がりでクラッシュ

ここでトップのクジョアト、2番手のレモンスカッペンがピットイン。順位変わらずそのままピットアウトしていった。
48周目のセーフティーカー中にCLRがクラッシュ!
6年ぶりの出走を完走で飾ることは出来なかったが、難しい鈴鹿で最後までチームメイトに食らいつけることができた。

レースは50周目に再スタートとなったが、その時に玉突き事故が発生!
ザコスとプニトールがその周、ザリザリ(トロロッソ)が次の周にウイング交換のためにピットインを敢行した。

最後はクジョアトがレモンスカッペンの猛攻を凌ぎ切り鈴鹿2年連続のトップチェッカーとなった。

次戦はメキシコ。残り4戦となるが、レモンスカッペンが優勝すればチャンピオンが確定する大一番。
ジョアトはしのぎ切れるかに注目が集まる。

メキシコは5/24(日) 21:30~より開始される。





【チーム別総評】

メルセデス
・カイッタスがノーペナ走法でシングルの8位を獲得。4回目のシングルフィニッシュを果たした。
CLRは残り5周のSC中にクラッシュで完走を逃してしまうも、終始カイッタスと同等のペースを披露。 次戦以降に弾みをつけたい

フェラーリ
・序盤は両者とも上位を走行となったが、2台ともミスにより後退。
ワンコッテルは今シーズン初のリタイア、ンクレールは3戦連続でシングルフィニッシュを逃すなど厳しい週末となってしまった。


レッドブル
・レモンスカッペンは予選からクジョアト相手に後手後手に回ってしまったレース。SCは不利に働いたがそれがなくても厳しい戦いになったことだろう。
しかし厳しいながらも全戦表彰台は更新中。残り4戦すべて獲得出来るか。
・メガボンも予選Q2でのMアタック失敗から苦しい展開。決勝もDRS渋滞にも巻き込まれるが、抜きにくいサーキットながら1台1台丁寧に攻略したがペナが響いて7位となった。5戦連続で表彰台から遠のいている。


ルノー
・サン・スーが欠場の為、ワン・イボウの1台体制で臨んだルノーチーム。
予選を3番手で通過し、表彰台圏内を中盤まで走っていたが、ワンコッテルに抜かれて4位後退。
その後、デグナーで目の前でワンコッテルがスピン!不運にもラインの変更を余儀なくされ、ミヤッセンに3位を明け渡してしまう。
最後までミヤッセンを攻略できず4位でチェッカーとなった。アゼルバイジャン以来の表彰台とはならなかった。


【レーシングポイント】
最後までミヤッセン・ワイボウの3番手集団でレースをしていたがペナルティが響いてしまい結果は10位。
プニトールはシケインでンクレールと接触事故が起こってしまったり、最後の再スタートで玉突き事故の被害でウイングを破損してしまうが粘りの走りで12位完走を果たした。
ペナルティをいかに減らせるかが課題となった。


【ハース】
ハースチームは3位と5位。この順位でレースを終えたのは3回目である。(ベルギーとシンガポールも3位と5位であった)
ミヤッセンもバコージャンもSCに動じることなく堂々とした走りを披露した。2台ともノーペナだったのはハースのみだった。


マクラーレン
自らのミスで最後尾スタートとなってしまったり、レース序盤で回線落ちとなったりしたザコス。
最後も新品ソフトで巻き返しを狙ったが、再スタート時も玉突き事故に巻き込まれ、踏んだり蹴ったりの週末。
ナノンツも終始、ダンロップコーナーの攻略に苦戦。失意のレースとなってしまった。
両者のポイントは1点差。残り4戦。最高位3位と4位の底力を見せれるか。


アルファロメオ
ヒロッツィの1台体制。
中段勢荒れたレースでキッチリとレースを完走。11番手は今季最高位フィニッシュとなった。
更に上へ。残り4戦でTOP10フィニッシュを狙う。


トロロッソ
予選から他を寄せ付けない圧倒的な走り。
MタイヤでQ2突破、ポールポジション
決勝もタイヤの違うレモンスカッペンに第一スティントで2秒差をキープ
終盤のSCにも動じずレモンスカッペンを封じ込め、ファステストラップも獲得。文句なしの完全優勝を成し遂げた。
ザリザリはS1でもミスが相次いだがウイングを壊さずにレースを展開。最後は玉突き事故に巻き込まれたが、14位で完走を果たした。
ザリザリも最高位は11位。 TOP10フィニッシュを狙う。


【ウィリアムズ】
シニアウィリアムズ。
ピケージがSタイヤを2回履くアクシデントに見舞われるが、SCが出て事なきを得た。
ペギーの6番手フィニッシュはこれで3回目。TOP5入りを残り4戦で目指す。
ピケージはペギーから20ポイント差でリード。守り切れるかに注目が集まる。